苫米地英人認定コーチ 谷口元浩

苫米地式コーチングを実生活に落とし込んで得た気付き・発見・変化の体感をシェアします。

常識というパノプティコン バイオパワーから逃れるには

 

 さてさて、バイオパワーってなんだろうか。

 

この言葉を単体で聞くと、あるCMイメージが頭をかすめるので、衣類の汚れがよく落ちる何かを一瞬思い浮かべてしまいます。

 

今回扱うバイオパワーは 生権力と言われるものです。

 

バイオパワーについての引用

「バイオパワー」とは、「監視されているという暗黙のプレッシャーによって、実際には監視されていなくても監視されているかのように振舞うこと」を言う。監獄の囚人に「監視されている」というプレッシャーを与えておくと、実際に監視されているか否かにかかわらず、監視されているときのような模範的な行動をとるという。
引用元:電通 洗脳広告代理店 - kenjiro-tの日記

 

下記の2つのリンクもご参照ください。

 wiki│パノプティコン

 宇山恵子の取材日記│フーコーの「生の権力」と職業倫理

 

 

簡単にまとめると、監獄の囚人たちの行動を、自分で律して改善させることを目的として建てられた、全展望監視システムがある。

 

 

その監視システムの下では、囚人たちは常に「監視されている」と感じるため、自力で行動が更生されていく。

 

 このような心理状態を生み出す仕組みの事を、ミシェル・フーコーは比喩として「パノプティコン」と表現した。

となります。

 


 現代の一般社会においてパノプティコンの役割を果たしているものはなんだろうかと考えると、それは「常識」と言われるもの全般である可能性があります。

 

 

常識という言葉の恐ろしいところは、

 

『そんなの常識でしょ?』

 

という殺し文句があることです。この言葉を言われた経験があると分かりますが、なかなか反論が難しく、知らなかったこちらが悪いような気にさせられます。

 

さらに、「なぜそれが常識なのか」「どういう背景から生まれたのか」などと疑問に感じることも許されないような圧力があります。

 

 


 なんらかの主張が常識レベルにまで世間に浸透するとどのようにバイオパワーが発生するでしょうか。

例を元に考えてみます。

 

 

例:「婚約指輪の相場は給料3ヵ月分」

 もともと貴金属店がプロモーション用に作った言葉ですが、様々な媒体と手法を使って繰り返し発信してくことで、「婚約指輪=給料3ヵ月分」という言葉はいつしか世間一般の共通認識のようになりました。

 

90年代前半までに婚約指輪を買った人たちは、当時の景気背景もあり、奮発した人も多かったのではないかと思います。

 

この主張が世間一般の共通認識にまで育ったところで、貯金額の少ないある男性が婚約指輪の金額について友人に相談した場合、「まあよく給料3ヵ月分って言うよね」という前置きはほぼ確実に返ってくるわけです。

 

そして自分の貯金を考えると「給料の1/3くらいにしたいな」と思っても、次には「安い指輪を見て彼女が幻滅しないか」、「一生に一度のものだからやはり奮発すべきか」などと、いろいろ悩むでしょう。

 

 

もう一つ例を考えてみます。

 

 

例:「外でぐずるわが子を叱る親」

 公共の場では行儀よく静かにするものという共通認識が日本人にはあります。

 

3歳~5歳くらいの子供を連れてレストランに食事に行った場合や、比較的混んでいる電車の中などで子供がぐずりだしてしまうと、周りの目が気になるのは仕方のない事です。

 

しかし、周りの目が気になる理由は何かというと、子供がぐずり出したことによって、周囲に迷惑をかけているかもしれないと、居心地の悪さを感じるからです。

 

実際迷惑に思う人もいれば、子供はかわいいな、と思っている人もいます。別のことに夢中で全く気になっていない人もいます。

 

しかし、自分の中で意識した「常識」に脅迫されてしまった親は、その脅迫から解放されるために子供を黙らせようと叱るでしょう。

 

このように、ある主張が世間一般の常識レベルにまで浸透すると、良くも悪くも、私達を常に見張る監視塔のように機能し始めます。

 

 

「廊下は走るな」

「貴重品は肌身離さずに持て」

「これからは英語をしゃべれないとダメだ」

「仕事は我慢するからこそ報酬がもらえる」

 

などなど軽重さまざまな常識があります。

これら常識とされるもの、常識と思われるものについては、一度全て自分の頭で考えなおしてみるのが良いと思います。

 

  • 本当にそうなのか
  • 誰が言いだしたのか
  • 誰のためになるのか
  • 自分の目的(目標)に関係あるのか
  • 守らないとどうなるのか

 

これらを改めて考えて、その常識を支持する・しないを自分で選択し直すのが、バイオパワーから抜け出す方法です。

 

そうしておくと、「常識でしょ」という殺し文句にも、自分の意見を持って立ち向かうことができます。

 


ぜひ一度、点検してみてください。